介護券その2


Fさんが入所してきて、福祉事務所のワーカーが着^パーソンとしてやってきたんだけど、まあ、面倒です。
Fさんは、日常生活費は現金で受け取っていますけど、そのお金を絶対に人に預けない。人を信用していないんだよね。
なんで、介護保険の2号被保険者になったかと言うと、現場労働者で働いていたのだけれど、天涯孤独で、預貯金をすると言うような感性がなく、あればあるだけ使ってしまうタイプだったそうです。(ワーカーさんが言う事だから、どこまでが本当だかは分からないけどね。)それで、結構健康的とは言いにくい生活をしていたところ、脳梗塞で倒れた。
途端に、現場労働は失いまして、そのまま生活保護になって、入院生活になった。

それが今年の2月の事で。

実は認定の申請は3月の日付になってる。
現に入院治療開始になったのが、2月だから遡及して認定開始になってる。
人生設計をしていれば、備蓄があれば、社会保険に加入していれば、(年金、保険、支払っていなかったそうですよ。)ある程度は何とかなったのかもしれないが、今まであればあるだけ使って生きてきたので、病気をしたら、一気に全てを失った。

たった2ヶ月で。

これはねー。大変です。
物欲はある。
食欲もある。
健康管理の意識が無いので、糖尿病になっていて、実は末梢部分に欠落がある。糖尿病性の壊死があるんです。おまけにインシュリン注射8単位。

多分、健康保険料を支払っていなかったし、保険証となかったんだと思う。不払いがあまりに続くと、健康保険証は取り上げられる事があるんです。
そうすると、病院に行けば、自費でしょう?健康保険料の支払いが出来ない人が自費で医療費を払える訳が無い。

自分で社会福祉の措置制度を申請する能力があるくらいなら、2ヶ月で転落はしません。

Fさんに人間としての能力が無い と言いたいんじゃないの。社会福祉ってなんだろうって思ったんだ。落ちるところまで落ちて、どうにもならなくなって初めて支給されるのが、日本の社会福祉なんだよ。
底まで落ちる前に、教育が入るとか、生活保護とまでは行かなくても、ある程度の無利子の貸付があるとか、そう言う事が無い。

その反面、健康保険料を滞納してのうのうと、保険証を使っている人たちも居ます。
収入が無い訳じゃない。結構、お金持ってたりする。でも、頭がいいから、期末の頃になると、市役所に来る。国民健康保険税って、収入に応じて高くなる。収入が多ければ、保険料も高い。
それを知っているので、節税の為に(これ、節税って言う?)「どうしても払えない」と強情に突っ張って、1,000円札1枚だけ置いていく。
そういう人に限って、本当は100万円も収入があったりする。
なんで、そういう事が出来るかと言うと、会社形式にして、親族に会社をやらせていたりする訳よ。
娘の名義にしてあるとかね。
本当は本人の財産なんだけど。
で、わざわざ、住民票も安アパートに移してあったりする。
あの手この手で、本人に実際は高い収入があるのに、払うべき税金を払わない。

そういう人が、1,000円で、健康保険証を使っていたりする。

ぎりぎりの生活で、どうにもならない人は、「保険料の減免」と言う措置制度もあるんだ。
それを利用しようとしている毎月の収入が7万円みたいなかつかつの生活の人が、保険料の減免を求めたりすると、それでなくても市役所は、滞納だらけで赤字だから、頑として認めなかったり。

結局、そういう人は実質的に払えないから、無年金、無保険になってしまう。
片や、頭のいい金持ちは、本人名義にはなっていなくても、親族名義でたっぷりと財産があるから、公的な年金、保険なんか使わなくても幾らでも生活していける。

これ、先進国日本の現実なんだ。
年金、保険の滞納率って、びっくりするほど高いんだよ。
で、弱いもの、から先にとる。口が達者で、頭が良くて、法律を知り尽くしている金持ちの見せ掛けの無財産の奴からは取る能力が無いんだ。

市役所の職員、都庁の職員、およそ、公務員の仕事って、こんなもんです。結局、税金の滞納が恒常的になるから、支払いをさせる力もなくなって、弱い人の必要最低限の生活保障から、ごちゃごちゃ言って、何とか払わないで済む様に、保護しないで良い様に、どん尻で辻褄を合わせている。