精神科受診


私のじゃなくて、利用者のです。

最近自立棟で、おかしな現象が起こってる。
入所してきた、普通の女性が、何時の間にか何となく変です。
それから、春先になると季節的なもので乱暴になる と言う男性が、今日、明日にも、追い出されて、精神病院に入院させられるそうです。

前にも書いたけど。精神科。

身体的な症状や、不安の訴えが、尋常では考えられないほど頻繁になった女性の方はね。入所してしばらくした時、いわゆる不安症状があったので、当施設の医師が診察して、必要だと判断したので、「本人には内緒で、精神薬を飲ませる」事になり、家族にも了承を得ました。

医師が診察して判断した事だから、勿論正しい医療行為だと思います。
その方は、入所された時から、少々不思議な言動があった。だから、精神薬を少量使う事は、方法の一つだろうと思う。

方や、春先になると目つきが変わって乱暴になる男性は、精神薬を処方してません。症状がひどくなるまで毎年家族は何も出来なくて、仕方なくえ、春になると、精神科に無理に入院させていたらしいです。

もう、本当に難しいよね。
精神科に対する不信とか、敷居の高さが、結果としてこういう事になる。

ご本人に「内緒で飲ませる」と言うのは、実は、効きません。
これ、なんだか、知らないが、本当です。
医学的には根拠が無いかもしれないけれど、なぜか効かない。

「内緒で飲ませる」のは、「本人が、精神薬が必要な状態なのに、精神薬だと言うと、飲まないから、嘘をついてでも飲ませないと、ますます病状(精神疾患は病ですから。性格が悪い訳では無いから)が悪化するので、どうしようもなく、仕方ない方法として、やらざるを得ない事がしばしば精神科現場ではある」からです。

医師の診察も、暴れる家族を春になると入院させる家族も、正しいと思います。

 


たださ。
思うんだ。
風邪を引いたら、医者に行くでしょう?
同じ様に、いらいらして困ったら、精神科に気軽に受診する風土があれば、こんな大騒ぎにはならないんだよな。

入所して不穏、不安症状が出た女性は、施設になれていなくて、ショック状態だったんじゃないか?と想像したりします。医師のつけた病名は不安神経症だったけど、私が見てるとOCDみたいな気がする。

で、精神薬を飲んだ事が無い方に、いきなり結構大量の安定剤を出しました。
不穏は収まらなかった。
大量の精神薬って、飲むと体が動かなくなりますよね。ふにゃふにゃし過ぎて。

患者本人が、「精神薬を飲む事によって、最初はふにゃふにゃするかも知れないけれど、今の辛い状態が良くなる可能性が高い」と理解して、最初のショック時期(薬の)を乗り切れば、効いてくるのですが、本人さんに告知していない為に(それには、今90歳近い人が持つ、精神病院、きちがい病院 と言うイメージが深く関係していると思う。)副作用はがんがんでて、本人さんはどんどん不安になるけど、肝心の効果はさっぱりでない。
効果がでないから、薬を増やす。
疑心暗鬼で、飲まない。
ますますだまして飲ませようとする事になる。

こんな事半月、あっという間にその方は、「おかしく」なりまして、重度痴呆専門棟に移される事になりそうです。

理由は、不安を訴えてのナースコールが頻繁で、他の利用者の迷惑になる。自立棟は、ある程度自己判断が出来る人が対象で、数分に1回ナースコールを押す人は対象でない と言う事になりました。

誰も悪くない。
でも、彼女の今の状態は薬害みたいな気がする。
薬害で症状が悪化してると言うには、彼女の精神科=きちがい=私はきちがいじゃない みたいな価値観も含まれているのかもしれないし。

同様の事は、春先になると乱暴になると言う男性に対してもあります。
彼は、精神薬は絶対飲まないので、家族と本人を無理やり説得して、閉鎖病棟のある精神病院に送り込む事を必死でやってます。(上の人達が)

 

精神科的なアプローチって、薬を飲ませる、精神病院に放り込むだけじゃない事は、上の人たちは分かっていると思う。理想としては。ただ、現実に、他の利用者に不安を訴えて、迷惑だったり、手間がかかりすぎたり(自立棟だからね。面倒くさいと言う意味ではありません)すれば、個人としてどうこう考える事は、人には色々あろうけれど、施設として出て行ってもらうか、重度痴呆専門棟に「降ろしてくる(自立できなくなった人を、降格するようなイメージかな?)事は、どうしようもなく、ありえるんだ。

上司と言う立場になると。
施設と言う立場になると。
ここは、通院で済む精神療法、行動療法、をやるクリニックじゃない。
そんな事は、私だってわかる。

だから、認知症の精神科通院が難しいと言う事なんだろうね。
90歳近くなって、もしくは、若い頃から、乱暴で とか、お金に無頓着で とか、だらしがない とかいう性格を持っている人は、年齢とともにそれが、精神科的なアプローチの必要になってくることがある。

それが出来ない。
本人さんも、受け入れない。家族もおろおろしちゃう。結局、重度痴呆専門棟だの、精神科の閉鎖病棟だのと言う話になる。

精神科の主治医は、日ごろから持つと良いと思うよ。私はね。
で、幾ら、身体的にはなんともなくて、ただ、不安神経症とか、心気症の版にだと判断された、初めて精神科の薬を飲む高齢患者に、いきなり、大量の精神薬を出すのは、精神科の医師には止めて貰いたい。
だまして飲ませるのも、出来る限り止めて貰いたい。
不安、不穏、に在る人が、バーチャルリアリティやら、幻想、幻覚の世界に行ってしまう。

これは、私個人の感想、希望です。

私は長く精神疾患で困ったことがあります。自分でおかしいと思ったから、精神科に通院したよ。今でも定期的に通院してる。今は、仕事柄睡眠薬を貰うくらいだけれど、症状がひどかった数年前にもし手帳を申請していたら、精神障害者手帳が取れただろう と今になって、私の主治医は言います。

精神科のアプローチには様々なものがあるし、クリニックと、大精神病院と、当施設の様に、医療行為は基本的にはしない(病院じゃないから。急性期の人は入れない施設ですから。法的に)ところでは、出来るアプローチも違う。

医師が悪い、家族が悪い、本人が悪い と言っても状況は良くならない事も分かってる。

じゃあ、私に出来る事はなんだ?
これはね。
訴えを「真面目な態度で聞く」に尽きると思う。
「悪い事をしていたら、(乱暴な発言をしているとかね)ちゃんと、その人を怒って止めなくちゃいけない」と思う。
見てみぬ振りをしたがる職員も居るし、看護士は、慣れているから、「あれは、放っておけば数分で収まるから、放置して」とか言いますしね。

幻覚、幻視、幻聴、妄想、何があっても構わない。
それなりに、本人が困っていなくて、周りが迷惑しない状態ならば、どんなにひどいと思われる精神疾患精神障害でも、無理やり治療する必要はない と言うのが、私の考え方です。

現に、穏やかに生活しているけれど、間違いなく統合失調症の慢性化だろう と思われる人はいます。自立棟に。精神薬も飲んでません。でも、迷惑でないし、本人が、幻視、幻聴に困ったり、苦しんだりして居らず、自分の能力だと思っているので、薬も治療も必要ないと私は思うし、現実に誰も治療だの、閉鎖病棟だの、重度痴呆専門棟だの言わない。

介護職は医療専門家じゃない。
でも、プロだからね。
幾ら誰も悪くなくても、上記のような事は、人的疾病だと思う。何かの都合によって、「作られた病」

寄り添うような安心感 を提供する事が、私に出来るひとつの事かな。
悪い事をしている人は、(乱暴になってるとかね)ちゃんと、プロとして、叱らなくちゃいけないだろうとも思う。
悪い事してる真っ最中に、尊厳も何もないでしょう?
叱ると、「怒られた とか、乱暴な事を言われた」とか大げさに言う人があるので、絶対に叱ったり怒ったりしてはいけない、尊厳を傷つける と施設はいうけれど、場合によるんじゃないんだろうか。。。

私に出来ることは、何か、模索する日々は続きます。いつも、何かが起こるので、いつも何かを模索している。

最近ちょっと疲労してるかも。
私自身の心がね。